327:違いの分からない男だから

食材偽装問題が後を絶たない。
皆さん仰るように、きっと氷山の一角だろう
私はこれが本当に許せない。
「悪意はなく認識不足だと?」
おい、お前ら何言ってんだ?
確かに黙っていれば分からない事もある。
それをヨシとする時だってあるよ。
私だって商人、必ずしも正直ばかりじゃ商売にならんことは良く分かっている。
でもコレはサービス業として、やってはいけない事だと私は心から思う。
まして高級店と名乗って、それなりの金額で商売するのなら
虚偽の表記は絶対にダメだ、これは最低限のマナーじゃないのか?
吉野家やマクドナルドの様なファストフードだって、何故自分のところがこの金額でこの商品を提供できるのかを、きちんと謳っているじゃないか。
でもたまにこちらファストフードの方は、疑いがかけられる事がある。
それは安く提供出来すぎる事に、疑問を持つ人もいるからだろう。
その疑いたくなる気持ちは分からないでもない。
逆に高級食材を扱う店舗が疑われる事は少ない。
何故かと言えば、やっぱりそれなりの金額を扱われる事に信頼があるからだ。
信頼にお金を出そうと考えている人が多いからだ。
大金を出すからには、疑いたくないって思う人が多いからだ。
私達第三次産業において
金額以上のサービスとか、最上級のパフォーマンスとか謳ってもハッキリ言って不透明な事って多い。
そしてお客様は分かっていない事も多い。
だからこそ手を抜かないのが、私達の義務だと私は思っている。
『騙そうと思えば騙せちゃうから、騙さない』と自分達に課す。
それが【安売りしないお店の定価の意義】であると私は断言したい。
分からないなら分からない方がイイ。
それで美味しく食べられているならそれでイイ。
私は商人でもあるから、そういう理論も否定できない。
フレッシュジュースじゃなくても、納得できる味
車エビでなくとも、値段に見合う調理方法
冷凍食品って言われると、なんだか手を抜いている様に見えちゃうけど、
冷凍技術だって現代にっぽんの技術は世界有数だ。一昔前の様な体では絶対にない。
これらを使いこなすのだって、やっぱり一流の成せる業だろう。
でもどうだ?
実際に誤表記を見破れない(まぁ普通は見破れないけど)お客様
ベストを尽くしていない、自分の調理
それを有難がって、高い金額を払うお客様を尊敬できるか?
私は『この人全然分かってないなぁ』なんて考えたくもないし
私はお客様に対してそういう感情を持ちたくないから、絶対にこういう行為をしない。
(もちろん喜んでもらうための、嘘の方便はあるよ)
***
私も今ではそれなりのお店へ食事へ行く機会も増えた。
『おーコレは日本一のナニナニだ、最高に美味い!』
『これってどこそこ産のナニソレを使ってるだけあるよなー』
って、そんな偉そうな事もよく言っている。
でも二流で育った超庶民の私だもん、私は多分【違いの分からない男】だ。
おそらく私は本当の味など、分かっちゃいない。
嘘の方便も通じまくっちゃっている、そんなメデタイお客だ。
でもそこのお店の雰囲気が好きで、厳選された食材で
お客様を喜ばせたいって思っている職人が提供してくれるから、常連として足繁く通うんだよ。
多分私は分かってない。
騙そうと思えばいくらでも騙せるお客だ。
だから裏切らないでほしいんだ。
『騙されちゃうから、騙さないでくれ!』
これがサービス業におけるお客様の声だよ。
ここに早く気が付くべきだ!!

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